人気ブログランキング | 話題のタグを見る

有志会 円覚寺山門・舎利殿・帰源院(2013.06.18)

北鎌倉・円覚寺山門上で毎年6月18日夕刻より執り行われる観音懺法に合わせて、同日のみ特別公開される山門&舎利殿&塔頭・帰源院を拝観するツアーに参加。

円覚寺前に8:30集合でした。結構早い時間なのに、小・中学生の団体がぞくぞくと続きます。このところ雨ばかりだったのが、昨日・今日とまぁまぁの空模様で、それもあるのかもしれません。一般のお客さまも交えて、円覚寺はちょっとした行楽地のよう。大変な賑わいです。
リーダーのご挨拶の後、3つのグループに分かれて山門へ。
上の窓が開いているのがわかります。
有志会 円覚寺山門・舎利殿・帰源院(2013.06.18)_e0245404_20511116.jpg
山門(県重文)
禅刹に不可欠な門。正式には三解脱門(さんげだつもん)と称される。悟りの境地に到達する為に通過しなければならない空・無相・無作の三門を意味する。
形式は桁行三間・梁行二間・戸口一間より成る三間一戸の重層門。屋根はもと茅葺き。花頭窓等に室町期風の禅宗様式が見られる。扁額(伏見上皇より賜る)の上に唐破風がない点が建長寺の山門と比べ古様。大きさは建長寺のものよりいくらか小さめ。(8割程度)
有志会 円覚寺山門・舎利殿・帰源院(2013.06.18)_e0245404_20515142.jpg
山門内部はそう広い訳ではないので、順番待ち。この間に山門下をくぐり本殿にお参りを済ませます。ご本殿に向って右側にある「漱石」という手水鉢。
有志会 円覚寺山門・舎利殿・帰源院(2013.06.18)_e0245404_772067.jpg
「漱石」っていう文字、分りづらいですね。(>_<) ガイドさんに教えていただきました。江戸時代のもの。今日は夏目漱石がらみの塔頭・帰源院を訪れるので、ちょっと気になるところでもあります。

この画像は本殿側から見た山門。
有志会 円覚寺山門・舎利殿・帰源院(2013.06.18)_e0245404_2052479.jpg
右手の急な階段を上って、さぁ、中へ。
山門上はこじんまりした空間でした。
真ん中に木造十一面観音菩薩坐像。江戸時代 寄木造 像高約90cm 玉眼 漆箔(剥落)。
とてもおだやかなお顔をなさった仏さま。十一面ですが、一番上に阿弥陀さまを載せてらっしゃいます。その脇に左右8体づつ木造の十六羅漢さま。江戸時代 寄木造 像高約65cm 玉眼 彩色。とっても可愛らしい感じの羅漢さまたち。すごく親しみやすい感じがします。そして、更に、その脇に左右6体づつの木造十二神将立像。室町時代 像高約80cm 寄木造 玉眼 彩色。こちらは鎧を着て勇ましく迫力ある感じ。
そして、向って右手前に一体のみ、木造韋駄天像。江戸時代 寄木造 像高約108cm 玉眼 彩色(剥落)。
写真がダメなので残念~。ネット、探してみましたら、円覚寺・居士林だよりに去年の6月18日の観音懺法の記事があり、お写真ありました。ちょっと拝借させていただきます。
正面の十一面観音さま
有志会 円覚寺山門・舎利殿・帰源院(2013.06.18)_e0245404_2053890.jpg
十二神将のお一人
有志会 円覚寺山門・舎利殿・帰源院(2013.06.18)_e0245404_20532533.jpg
韋駄天像
有志会 円覚寺山門・舎利殿・帰源院(2013.06.18)_e0245404_20534023.jpg
感じが伝わりましたでしょうか。

お参りした後、山門上をぐるっとひと回り。山門上からみた本堂。
有志会 円覚寺山門・舎利殿・帰源院(2013.06.18)_e0245404_2054165.jpg
そして、伏見上皇より賜った扁額「圓覚興聖禅寺」。
有志会 円覚寺山門・舎利殿・帰源院(2013.06.18)_e0245404_20544013.jpg
あまり近くにありすぎて、写真撮っていると、下におっこちそうになります。お坊さんに心配して頂きました。(^^ゞ
私は円覚寺山門、初めて上りました。有難いお参りでした。

さて、お次は国宝・舎利殿へ。
お坊さんの先導で、唐破風右側の通用門から、
有志会 円覚寺山門・舎利殿・帰源院(2013.06.18)_e0245404_20555631.jpg
舎利殿前に進みます。
有志会 円覚寺山門・舎利殿・帰源院(2013.06.18)_e0245404_2056775.jpg
神奈川県内の建造物では唯一、国宝。1600年頃、太平寺(尼五山第一位 廃寺)からこちらに移転されてきたということです。
(関東大震災で崩壊し、可能な限り、元の建材をそのまま使用して昭和4年に復興)

お坊さまより、
①厚さ5mmの木を重ね合わせた屋根で、唐風の強い軒の反りがみられること。
②柱は等間隔ではなく、それにより威圧感が増していること。柱の下に石を置き、湿気対策をしていること。
③中には厨子が置かれ、お釈迦さまの仏牙舎利(右奥歯)をお祀りしていること、両脇で観音・地蔵両菩薩がお見守りしていること。
④舎利殿真後ろに別の建物・開山堂があり、無学祖元像が祀られていること。
など伺いました。

舎利殿正面から。
有志会 円覚寺山門・舎利殿・帰源院(2013.06.18)_e0245404_711464.jpg
建物上部の欄間は装飾の意味もありますが、外の風・光を取り込むためのものとか。弓欄間、もしくは波欄間というそうです。また中央の宝珠は宝が湧き出るところ=願いがかなうところを意味するとか。
そして、中のお厨子、立派ですね。
源実朝が宋の能仁寺から求めて、大慈寺に奉安した仏舎利が収められています。

確か、一昨年、秋の特別拝観の時、この後ろの開山堂まで拝観させていただいたことを思い出しました。
cf : 北鎌倉 円覚寺(特別拝観)へ (2011.09.28)

舎利殿右横にある正法眼堂の説明もしていただきました。
有志会 円覚寺山門・舎利殿・帰源院(2013.06.18)_e0245404_1155237.jpg
閉められている障子を開けて下さったんです。内部の様子がよくわかりました。
現在は27名程度の方々が修行に励んでおられるそうです。夜休む時は畳一畳、起きている時は畳半畳のスペースの生活らしいです。布団は各自一枚のみ。それに包まって休むそうです。つまり柏餅のように、中に包まることから、この布団を柏布団と呼ぶそうです。
今日は久しぶりの梅雨の晴れ間。舎利殿を取り巻く廻廊の屋根には、この柏布団がずらっと!!
有志会 円覚寺山門・舎利殿・帰源院(2013.06.18)_e0245404_20585327.jpg
有志会 円覚寺山門・舎利殿・帰源院(2013.06.18)_e0245404_20592869.jpg
ちょっとユーモラスでしょう?(笑)
また、修行の長さは各自によって異なるとか。通常は、所属しているお寺さんの格式で修行の長さが決まるそうです。長いと10年とか。驚きます。

さて、これで、山門&舎利殿拝観が終了し、あとは最後、塔頭・帰源院に向います。
続く
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by b_neige | 2013-06-19 07:14 | 鎌倉歩き | Comments(0)

フランス語は趣味です。フランス人に日本語を教えていましたが’17.6月より中断中(教師歴14年)。 鎌倉歴はある方に言わせると初心者だそうで...。(汗)


by b_neige(しらゆき)