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梅かまくら寺社特別参拝 覚園寺(2014.03.02)

こぬか雨の中、梅かまくら寺社特別拝観で覚園寺へ。
川沿いの細い道を急ぎます。鎌倉宮から徒歩10分位かな、見えてきました。
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山門脇のピンクの梅が春を告げています。弥生の覚園寺。

山門のところで、当選のハガキを提示して、梅かまくらの受付を済ませます。覚園寺と古都鎌倉十三佛霊場巡拝2014年版のパンフレットをいただきました。
既に集まっていらっしゃる方、結構な人数でびっくり。4、50名ほどいらしたかしら。
開始時間まで、あと10分ほど。写真を撮ります。

愛染堂。
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右手前の梅。
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春の雨に濡れています。
左のネコヤナギ。
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こちらは白の枝垂れ梅。
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蕾が大きくなって、今にもほころびそう。

13:30、お坊さんのお声がかかり、愛染堂前に集合。
まずは、「覚園寺」に多数応募して下さりありがとうございます、とのお言葉。そして、今回は、抽選をせずに、申し込んで下さった方々すべてにお越しいただきました、と。
だから思いがけず大勢の参加者だったんですね。納得。ハズレなくてよかった。ありがたいことです。

早速、愛染堂の仏さまのご説明が始まります。
昨日のレジュメの補足として、
-「木造阿閦(あしゅく)如来坐像」に関しては、「阿閦」(=あしゅく)はサンスクリット語を発音させるための音であって、意味としては、ゆるぎない・動じない平常心を表すということ
-「鉄造不動明王坐像」に関しては、「ごつごつざらざらした感触」+「錆び」で雅を尊ぶ京都では敬遠された鉄を武家の都・鎌倉では堅固だとして好んで使用したということ、及び、往時の製造法では中をくりぬくのが難しく、ほとんど全部が鉄で重さが100kg以上になること
等、丁寧に教えていただきました。

拝観受付からいよいよ奥の境内へ。
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こぬか雨が段々、本格的な雨に。足元がぬかるみます。静寂さが漂う境内は、谷戸からの冷たい清浄な空気に満ち、ひんやりした感じ。
大きな椿の木があちこちで花をつけています。黒地蔵堂の後ろに植えられている椿が「太郎庵」、別名「覚園寺椿」ですよ、とお声がありました。
鎌検のテキストには「覚園寺の太郎庵」、そして「英勝寺の侘助」が有名とあります。「覚園寺の太郎庵」って、これなの? 私は一人感激です。淡いピンク色の上品な椿。
写真、ほんとに撮りたかったです。でも撮影はNG。落ち椿を拾ってきました。これでガマンして下さいね。素敵な覚園寺椿=太郎庵です。
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江戸時代中期、高田太郎庵という茶人が好んだということで、命名された椿ですって。沢山咲いていました。
ネットから、椿「太郎庵」の画像、拝借します。
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素敵でしょう?この椿が覚園寺の境内に咲いている様子、想像して下さいね。

さて、全員、雨を避けて、茅葺き屋根の薬師堂に(内部は土間です)。中で仏さまのご説明を伺います。
昨日のレジュメの補足!
天井一面に描かれた龍の絵について。
その1.龍は力強さの象徴だから。その2.寺社で一番恐れるのは火災。龍は水をよび、火除けの意味になるから。その3.龍は仏さまの使い。お釈迦さまが誕生された時、7体現れて甘露水をお釈迦さまにかけられたから。以上、3つの理由が考えられるそうです。

さて、ここまでは通常拝観で案内していただける範囲。今日は特別拝観。
メタセコイヤの木から更に奥の境内へと進みます。

「薬師堂」の奥には梅の木が数多く植えられています。全部咲き揃っているというわけではないけれど、心やすらぐ里山の穏やかな景色が広がっています。谷戸の自然に囲まれて、聞こえるのは鳥のさえずりぐらい。

そんな静けさの中、谷戸の一番奥に向かって歩きます。道が次第に細くなっていきます。
右にも左にも大きな木がそびえる山間。鎌倉時代から800年、何も変わっていないような。。。
お檀家さんの墓苑がありました。そして、その奥の小さな木戸を抜けると、そこは覚園寺の聖域「奥の院」と呼ばれる場所=歴代住職が眠る場所。
心の支えとして大事にしている場所と、ご説明のお坊さま。
一段と冷涼な空気に包まれて、お話に一同聴き入ります。

手前に大きく立派な宝篋印塔2基。「開山塔」と「大燈塔」
向って右が開山・智海心慧(ちかいしんえ)、左が2世の大燈源智(だいとうげんち)のもの。梵字がいくつも刻まれた美しい塔です。
それから、それらを取り囲む小型の卵塔群。3世から29世までの墓塔。

元来、宝篋印塔とは、お経を納めるためのものであったとか。
開山・智海心慧は1306年没。「開山塔」は、27回忌の法要の折(1332年)、左の2世の「大燈塔」と同時期に造られたそうです。
実は2世のものが1ヶ月ほど早かったんですって。(まずは練習で?作ってみてということかしら)
大きさは見た目はほぼ同じ。開山さまのは4寸(3m70cm)、左の2世さまのは敬意をはらって?3m58cm。

ここに来ると、歴代の和尚様方にしっかりやっているかと問いただされる気がすると、うかがいました。嬉しいこと、悲しいことがある度に報告に来られるとか。

辺りには、手付かずの自然が残っています。人が踏み入ることがない場所。苔むした地面。風を感じる場所です。
ぽつん、ぽつんと赤い落ち椿が。。。思わず一つ、拾いました。
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覚園寺の奥まった、まさしく聖域に咲いていた椿です。僅かに残り香が。春の香り。
ほんとにいい場所でした。

そこから、来た道を戻ります。
途中、お檀家さんの墓苑の辺り、薬師堂に向って、右側の山の麓(崖の下)に「鎌倉十井」の一つ、「棟立ノ井」(むなたてのい)がありました。
これも特別拝観の目玉。普段は非公開なので、この井戸、ほんとに見たかったんです。
(一人、感激していました)
足元はぬかるんでいて、そのためムシロを敷いて歩きやすくして下さっています。そこを見学に向います。
横穴式井戸のよう。その上に石造りの切妻の屋根がかけられているので、「棟立ノ井」なのかも。お水がなみなみと溜まっていました。今でも、この水は仏さまに差し上げる閼伽水(あかすい)として使用されているそうです。

特別拝観は以上です。
この後は、旧内海家住宅に移り、一同、靴を脱いで、上がらせていただき、お茶とお菓子のお接待に。
そしてね、梅かまくら5回目(5年目)の今回は、協賛スポンサーの1社である鎌倉ビールの今村社長さんがいらしてて、ここからはビール談義に花が咲きました。
全員にビールの試飲。お寺の中ですよ。(笑) 泡がなかなか消えない鎌倉ビール、美味しかった!!
更に、お土産として一人、1本、ビールかサイダーか選べるときている~~。(笑)
(ビールは1本500円なのに)
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梅かまくら特別参拝「覚園寺」、生憎の雨は残念でしたが、それでもやはり楽しめました。

深閑とした古刹の風情が漂う、まだ見たことがなかった鎌倉のとっておきの場所を案内していただけました。
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by b_neige | 2014-03-03 06:54 | 梅かまくら寺社特別参拝 | Comments(0)

フランス語は趣味です。フランス人に日本語を教えていましたが’17.6月より中断中(教師歴14年)。 鎌倉歴はある方に言わせると初心者だそうで...。(汗)


by b_neige(しらゆき)