神奈川県立近代美術館 鎌倉 「田淵安一展 知られざる世界」(2014.09.10)
2014年 09月 10日
だって、「田淵安一」という画家さん、恥ずかしながら、初めて聞くお名前だったのです。
田淵安一は、1921年生まれ。終戦後、東京大学美術史学科に入学、同大学院に在籍しました。1951年(30歳)、渡仏。私費留学生としてソルボンヌ大学で学びます。その後、80歳を越えるまで日本に戻ることなく、フランス画壇で活躍しました。1985年(64歳)、フランス政府芸術文化勲章オフィシエを受章。1993年(72歳)には大阪南港のアジア太平洋トレードセンターに大壁画を製作。「イデアの結界」など東西の文化を考察した著書でも知られます。2009年(88歳)、パリ郊外の自宅で死去。
構成は5部から。
第1部渡仏初期の絵画(1951年~1960年)具象的な作品群
第2部転換期(1961年~1974年)華やかな色彩の作品群 バロック時代
第3部(1975年~1982年)樹‐(未完の季節)とスケッチ 樹をテーマに描いた作品群
第4部(1983年~1989年)画面に金箔が加わり、山・岩をテーマにした作品群
第5部宇宙庭園(1990年~2005年)異国で製作する画家としての、アイデンティティを追及した画家独自の世界観が伺える作品群
画風は抽象表現。個人的には第3部が好きでした。
色鉛筆、紙という、シンプルに樹を描いた一連の作品群(スケッチ?)はとても自然で、豊かな緑に樹木の生命力を感じました。画像が一枚しかなくて。<(_ _)>
ただ、その下の緑の部分は何やらわかりません。
こちらは、「曙」(「未完の季節」No.18)1978年 油彩、カンヴァス 200.0×200.0cm
田淵安一展、画風の好みもあるかと思います。
入館者は、そうね、パラパラっていう程度。だから、ゆっくり思う存分鑑賞は出来ます。
会期は残すところ4日。ご興味のある方はお急ぎ下さい。
(絵葉書の用意などはありませんでした)
久しぶりの近代美術館(鎌倉館)。ここは、実は国内初の公立美術館なんです。
2011年に開館60年を迎えました。ニューヨーク近代美術館(MOMA)、パリ市立近代美術館に次ぐ歴史をもっているそうです。
設計は世界的な建築家ル・コルビュジェの弟子・故坂倉準三氏。日本のモダニズム建築(装飾が少なく、すっきりしている)を代表する建物。1999年には国際機関「DOCOMOMO」によって「日本の近代建築20選」にも選ばれました。(鎌検公式テキストより)
こちらは、平家池に面した1Fテラス。
画像にも写っていますが(手前)、このテラスの周辺、中庭には彫刻作品も多く展示されています。
これはカフェのテラスからの眺望。
このカフェの壁画もなかなかいいんですよ。HPからお借りした画像です。
財政難!こんなに素敵なローケーションなのに、打つ手はあると思うんですけどねぇ。