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神奈川県立近代美術館 鎌倉 「田淵安一展 知られざる世界」(2014.09.10)

神奈川県立近代美術館(鎌倉館)で開催されている「田淵安一展 知られざる世界」を観てきました。
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場所はおわかりですよね。鶴岡八幡宮の敷地内です。といっても、残念ながら、八幡さまの参道からは直接アクセス出来ません。小町通りを突っ切って巨福呂坂、建長寺方面に向う道沿い、右手に美術館専用の入口があります。
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この展覧会、実は7月5日(土)から始まっていて、これまで入館をためらっていました。
だって、「田淵安一」という画家さん、恥ずかしながら、初めて聞くお名前だったのです。
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でも、フランスで活躍した画家とあったし、何より?招待券を頂き(これ、重要!笑)、それではと早速馳せ参じた次第です。(会期は9月15日まで)

田淵安一は、1921年生まれ。終戦後、東京大学美術史学科に入学、同大学院に在籍しました。1951年(30歳)、渡仏。私費留学生としてソルボンヌ大学で学びます。その後、80歳を越えるまで日本に戻ることなく、フランス画壇で活躍しました。1985年(64歳)、フランス政府芸術文化勲章オフィシエを受章。1993年(72歳)には大阪南港のアジア太平洋トレードセンターに大壁画を製作。「イデアの結界」など東西の文化を考察した著書でも知られます。2009年(88歳)、パリ郊外の自宅で死去。

構成は5部から。
第1部渡仏初期の絵画(1951年~1960年)具象的な作品群
第2部転換期(1961年~1974年)華やかな色彩の作品群 バロック時代
第3部(1975年~1982年)樹‐(未完の季節)とスケッチ 樹をテーマに描いた作品群
第4部(1983年~1989年)画面に金箔が加わり、山・岩をテーマにした作品群
第5部宇宙庭園(1990年~2005年)異国で製作する画家としての、アイデンティティを追及した画家独自の世界観が伺える作品群

画風は抽象表現。個人的には第3部が好きでした。
色鉛筆、紙という、シンプルに樹を描いた一連の作品群(スケッチ?)はとても自然で、豊かな緑に樹木の生命力を感じました。画像が一枚しかなくて。<(_ _)>
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この部の大きい作品「高山の春」1981年 油彩、カンヴァス 195.0×130.0cm
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山全体を覆うように咲いているヤマザクラ?、エネルギッシュだと思いませんか?
ただ、その下の緑の部分は何やらわかりません。
こちらは、「曙」(「未完の季節」No.18)1978年 油彩、カンヴァス 200.0×200.0cm
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幾らか分かり易い作品のような気がします。

田淵安一展、画風の好みもあるかと思います。
入館者は、そうね、パラパラっていう程度。だから、ゆっくり思う存分鑑賞は出来ます。
会期は残すところ4日。ご興味のある方はお急ぎ下さい。
(絵葉書の用意などはありませんでした)

久しぶりの近代美術館(鎌倉館)。ここは、実は国内初の公立美術館なんです。
2011年に開館60年を迎えました。ニューヨーク近代美術館(MOMA)、パリ市立近代美術館に次ぐ歴史をもっているそうです。
設計は世界的な建築家ル・コルビュジェの弟子・故坂倉準三氏。日本のモダニズム建築(装飾が少なく、すっきりしている)を代表する建物。1999年には国際機関「DOCOMOMO」によって「日本の近代建築20選」にも選ばれました。(鎌検公式テキストより)
こちらは、平家池に面した1Fテラス。
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ちょっと贅沢な造りでしょう?
画像にも写っていますが(手前)、このテラスの周辺、中庭には彫刻作品も多く展示されています。
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美術館としては、スペースは2Fのみでそう広い訳ではありません。また、2F部分にはちょっとしたミュージアムショップやカフェが併設されています。
これはカフェのテラスからの眺望。
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緑が目に優しく、素敵なロケーションでしょう?
このカフェの壁画もなかなかいいんですよ。HPからお借りした画像です。
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実は、神奈川県は財政難のため、この敷地を所有する鶴岡八幡宮との土地貸借契約を更新しないそうです。契約打ち切りの場合は土地を更地にして返還するとのことで、この鎌倉館は2016年3月末で閉館になると聞いています。もったいないと思われませんか?
財政難!こんなに素敵なローケーションなのに、打つ手はあると思うんですけどねぇ。
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by b_neige | 2014-09-10 23:42 | 展覧会など | Comments(0)

フランス語は趣味です。フランス人に日本語を教えていましたが’17.6月より中断中(教師歴14年)。 鎌倉歴はある方に言わせると初心者だそうで...。(汗)


by b_neige(しらゆき)