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奈良の旅3日目 正暦寺(2015.11.20)

奈良3日目は、紅葉を探して、奈良市郊外のお寺へ。最初に訪れたのが、「錦の里」と呼ばれる正暦寺です。
(奈良から車で30分もかからなかったと思います)
992年(正暦3年)、一条天皇の勅命により創建されたお寺。創建された年号がお寺の名称になっています。駐車場からこんな道を辿ること数分。
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菩提仙川の渓流をはさんで山間に、当時は、86坊もの塔頭が立ち並んでいたそうです。さすがの勅願寺ですね。
まずは、こちらの門をくぐり、
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福寿院客殿(こけら葺きの屋根・数奇屋風建築)を拝観します。画像、撮り忘れですみません。<(_ _)>
ここには、孔雀明王という珍しい仏さまが祀られていました。孔雀に乗ってらっしゃるんです。(画像、お寺のHPより)
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孔雀明王は、人間にとって毒である「苦しみ」や「災危」、「煩悩」を取り除いて下さる厄除け祈願の仏さまなんですって。(孔雀が毒蛇コブラの天敵であることから)
孔雀には、そのような意味があるのですね。鎌倉・光則寺の孔雀はそこから?これは初耳でした。

赤い毛氈が敷かれたこの客殿からの景色。
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自然風景式庭園と伺いました。
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深山幽谷という感じですね。特に左側に何本かある大きな柿の木が素晴らしくて…。
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モミジの色ですが、お寺の方がおっしゃるには、今年は暖かい日が多くて、あまり、と…。
少々茶色っぽいのは残念ですが、十分見映えがする景色、素敵でした。

客殿壁際に立てかけられた、京狩野3代目という狩野永納の描いた欄間や襖の絵等が目を引きます。
こちら、「八重桜に三光鳥」
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とても上品な趣でしたよ。

客殿の後ろには護摩堂があって、そちらへ移動する際撮った一枚。
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美しい借景ですよね。
護摩堂の不動明王さまを拝観してから、今度は更に参道を上に辿り、
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本堂へ。
拝観チケットを見せて、長い石段(観世音菩薩の誓願の数33段と阿弥陀如来の誓願の数にちなんだ48段、合計81段。)を上ります。
こちらはその石段から振り返って。
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公孫樹の黄色が華やか。
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モミジは12月初旬まで楽しめるそうです。

さて、石段の上には鐘楼と、ご本堂がぽつんと佇んでいました。(本堂は大正5年の再建)
こちらでは昇殿してお寺の秘仏・薬師如来倚像(いぞう)(白鳳時代 国重文)を拝観。台座に腰をかける倚像型式の金剛仏で、こちらも大変珍しいものと伺いました。(お厨子の中の小さな仏さま)

帰りがけ、そうそう、清酒発祥の地の石碑を見つけました。
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本来、寺院での酒造りは禁止されていましたが、鎮守や仏像に献上するお酒として自家製造されていたそうです。(僧侶が醸造する酒=僧坊酒)
なかでも、正暦寺での酒造技術は大変高く、近代醸造法の基礎となる技術が早くから確立されており、室町時代の古文書にも記されていることから、清酒発祥の地と言われるのだとか。
菩提仙川の水=やまとの水(古くから地域の人々の生活と深く関わり守られてきた清澄な水)も一役買っているのでしょう。

現在は、大規模ではないものの、毎年1月に酒母の仕込みが行われ、「奈良県菩提酛(もと)による清酒製造研究会」の蔵元がその酒母を持ち帰って醸造した清酒が、福寿院入口で販売されています。
なんとなんと、お寺でお酒の販売とはね。びっくりぽん!
Commented by 花音 at 2015-11-24 22:27 x
孔雀明王さま、気に入って?しまいました。
晩秋の風情たっぷり、たわわに実った大きな柿の木! 
静かで趣ある西歴寺に行きたくなりました。
写真が美しいです。
Commented by b_neige at 2015-11-24 23:35
花音さん、いつもほんとに優しいコメントをありがとうございます。
嬉しくてたまりませんわ。
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by b_neige | 2015-11-22 07:24 | 奈良のお寺 | Comments(2)

フランス語は趣味です。フランス人に日本語を教えていましたが’17.6月より中断中(教師歴14年)。 鎌倉歴はある方に言わせると初心者だそうで...。(汗)


by b_neige(しらゆき)