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華厳経と善財童子(2017.12.23)

華厳経に登場する善財童子は、インドの長者の子どもです。裕福な暮らしを送っていましたが、あるとき、仏教に目覚め、文殊菩薩の勧めにより、様々な指導者(=善知識)53人を訪ね歩きます。その中には、比丘(=正式な男性出家修行者)や比丘尼(=正式な女性出家修行者)の他、外道(仏教徒以外の者)、遊女と思われる女性、童男、童女も含まれていましたが、善財童子は先入観持つことなく謙虚に教えを乞い、最後に普賢菩薩に出会って、西方の阿弥陀浄土往生を願われたそうです。

東海道五十三次はこれによっていると言われます。(53という数字)
(ただ、53人は数え方によって54人とも55人ともされる)

それでは、奈良の阿倍文殊院の善財童子をご紹介します。
華厳経と善財童子(2017.12.23)_e0245404_1550236.jpg
阿倍文殊院の文殊菩薩さまは先日ご紹介済み。
cf : 仏像の勉強1 文殊菩薩さま(2017.12.17)
文殊さまの向かって右側においでになるでしょう?
実は、この文殊さま(=渡海文殊)は4人の脇侍を伴っているんです。(5像すべてが国宝)
鎌倉時代・建仁3年(1203年)造立 快慶作
華厳経と善財童子(2017.12.23)_e0245404_15513157.jpg
阿倍文殊院の本山である東大寺の大仏再造立の折、大仏殿再建の象徴として、総責任者・重源上人の念持仏でもあった文殊さまを(平安時代から東大寺の別格本山だった阿倍文殊院に)造立することで、東大寺総供養とされたと考えられているそうです。
如何ですか、この善財童子さん、可愛らしいお姿でしょう?

おまけで、もうお一人の善財童子(同じく奈良・西大寺)さんをご紹介。
文殊菩薩騎獅像 四侍者像  鎌倉時代 (重要文化財)
華厳経と善財童子(2017.12.23)_e0245404_1610822.jpg
向かって右手前がそうです。
こちらははがきから
華厳経と善財童子(2017.12.23)_e0245404_15561367.jpg
めちゃくちゃ可愛いですよね。灰谷健次郎氏の「兎の眼」に登場する有名な童子です。

早く東京にお越し頂きたい!!
と思ったのですが、な、なんと今年、東京日本橋の三井記念美術館で開催された「特別展 創建1250年記念 奈良 西大寺展~叡尊と一門の名宝~」4/15~6/11においでになっていたそうなんですぅ。
華厳経と善財童子(2017.12.23)_e0245404_15565813.jpg
情報不足ですね。がっくり~×100 (>_<)
Commented by 花音 at 2017-12-23 23:29 x
奈良が好きで、若い頃はよく訪れました。
西大寺、百毫寺、法華寺、そして桜井の聖林寺に。
三井記念美術館の西大寺展、行きましたよ。
Commented by b_neige at 2017-12-24 07:17
花音さん、☆☆☆メリーメリークリスマス!☆☆☆

ただただご一緒したかったですぅ。(。・ω・。)
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by b_neige | 2017-12-23 07:47 | 鎌倉歩き | Comments(2)

フランス語は趣味です。フランス人に日本語を教えていましたが’17.6月より中断中(教師歴14年)。 鎌倉歴はある方に言わせると初心者だそうで...。(汗)


by b_neige(しらゆき)