サントリー美術館 「天上の舞 飛天の美」展(2013.12.27)
2013年 12月 28日
実は、友人にチケットをいただいて、12月になったら行こうと思っているうちに、ついこんなに遅くなってしまって。この間、20日と思ってあせったのに、今日はもう27日!早すぎ。(>_<)
空を飛び、舞い踊る天人=「飛天」。その飛天の姿を彫刻・絵画・工芸の作品を通して紹介するという企画のよう。
平等院鳳凰堂の国宝・阿弥陀如来坐像光背飛天六体(寺外初公開)、同じく国宝・雲中供養菩薩像十四体が展示されています。
* 平等院鳳凰堂では半世紀振りの大規模な修理事業を展開中。2014年春に落慶の予定だそうです。
展示構成は4部から。
1.飛天の古典 -インドから日本-
2.天上の光景 -浄土図と荘厳具類-
3.イメージの展開 -聖衆(しょうじゅ)来迎図へ-
4.平等院鳳凰堂の世界
第1部では、ガンダーラ、中国、朝鮮など、各地域に見られる飛天の造形。飛鳥時代の日本に伝来するまでの過程が紹介されています。
仏伝浮彫(2~3世紀 ガンダーラ 龍谷大学蔵)
舎利容器(7~8世紀 クチャ)
飛天文軒平瓦断片(7~8世紀 統一新羅 大和文華館)
日本ではどんなかと言うと、
三尊仏(7世紀 飛鳥時代 川原寺裏山遺跡出土)
日本では飛天は浄土世界の表現の一つでした。
薬師寺東塔の水煙(模造)が展示されていましたが、6体の飛天が組み込まれていて大変美しく印象に残りました。
また、法隆寺金堂の釈迦如来像の天蓋に付けられている飛天なども素敵でした。楽器を持たれています。
菩薩や飛天の他に、迦陵頻伽(かりょうびんが)や共命鳥(ぐみょうちょう)などが舞い、樹木や地には七宝が輝くとか。きらびやかなこの世界は浄土図以外にも、舞菩薩や迦陵頻伽(かりょうびんが)、天蓋や光背などの荘厳具類に見受けられます。
国宝「金銅迦陵頻伽文華鬘(けまん=花の輪をかたちどった飾り物のことで、寺院のお堂の中を飾る)」 中尊寺 12世紀 平安時代
もう一つ、国宝「牛皮華鬘」11世紀 奈良国立博物館蔵
第3部では平安時代末期に普及した「来迎」思想の表現=来迎図に浄土図の中の飛天のイメージを重ねています。飛天が進化した形?
重要文化財 阿弥陀二十五菩薩来迎図 13~14世紀 鎌倉時代 福島県立博物館蔵
そして、最後第4部、この展覧会のメインです。平等院鳳凰堂=極楽浄土を再現した阿弥陀堂。大陸から伝来した飛天が日本独自のものに進化し成熟していく過程を観察できます。
まずは今回寺外初公開の国宝「阿弥陀如来坐像光背飛天」6体。金色です。とても優美。
色もきれい。華麗なお姿にうっとりでした。
天喜元年(1053年)京都・平等院鳳凰堂
楽器を手にした菩薩さまが多かったかな。
西洋のエンジェルは翼を持って自ら飛翔しますが、これらの雲中供養菩薩は飛雲に乗ってという形。
これまで空を飛ぶのは羽衣をはおった天女さまっていう程度の認識だったので、「天上の舞 飛天の美」展、なかなか楽しめました。チケットをくれた友人に感謝。
会期は来年1月13日(月)まで。