頼朝公の愛馬「いけずき」と「するすみ」(2016.07.10)

昨日が生憎の雨で、今日、10日、またしてもチャリで鎌倉を廻ります。時間がないのに、行くところが沢山あるんですよ~。(>_<)

ブログを始める前になりますが(2011年2月だったかな)、ガイド協会の史跡めぐり(タイトルは、梅の香に誘われて、十二所の梅林に春をさがす)で浄妙寺から足利公方邸跡付近を歩いた際、馬を洗っていた、と考えられると、やぐらをご紹介いただきました。
こちらの場所です。(場所は公方邸跡の碑から奥に入った山際)
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ここはその時、教えていただいて知っていたのですが、更に浄妙寺に向かって稲荷小路を歩き、庚申塔を過ぎた辺りを右折すると(角は焼き物のアトリエだったと思います)、右手の駐車場の奥に、こんなに見事なやぐらが見えてくるんです。
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ここ、お初なんですぅ~。(お初のところがあると嬉しいです)
左側のとても大きなやぐら、すごいでしょう?
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右の方も。
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右側に滑川に注いでいる川だと思いますが、小さな川もあって、馬の世話をしていたやぐら、というのも頷けます。

そして、馬に因んで、養成講座の同じ班の友人に、頼朝の有名な馬の名前を教えてもらいました。
「いけずき」と「するすみ」です。宇治川の戦いの先陣争いに出てくると。。。
私、範頼・義経軍が木曽義仲を破ったことしか知らなくて。。。ひゃあ~、無知ですよね、すご~く恥ずかしい!(>_<)
帰宅して、早速調べました。以下、ご報告します。

京都で木曽義仲と対立していた後白河法皇の要請を受け、源頼朝は上洛を促され、京都に向かって進軍しますが、途中で中止し、源範頼・義経の弟たちに義仲追討を命じます。

これを聞いた義仲は軍兵を分けて配置。瀬田の唐橋には今井兼平の500余騎、宇治には根井行親・楯親忠の300余騎を置き、自身は100余騎で院御所を守りました。
鎌倉からは、範頼が大手軍で瀬田、義経は搦手(からめで)軍で宇治に攻め込みます。

そして、宇治に登場するのが、頼朝から馬を賜った佐々木四郎高綱(馬はいけずき=漢字では、生食、生喰、池月、池付、池食とも)と梶原源太景季(馬はするすみ=磨墨、摺墨とも)です。
実は、梶原源太景季は、「いけずき」が欲しかったのですが、頼朝はそれは、自分が乗る馬だと言って、「するすみ」を与えます。ところが、その後、佐々木四郎高綱に、その「いけずき」を与えてしまうのです。(頼朝さん、何かあったのでしょうか??)
いけずきを賜った高綱は感激して、頼朝に戦いの先陣を切ることを約束するのでした。

さて、先陣争いですが、この時、佐々木四郎高綱は梶原源太景季に、「馬の腹帯が緩んでいるように見える」と言い放ち、景季が確認する間に宇治川に飛び込んで行ったのです。水かさが増し、流れも速い宇治川でしたが、名馬「いけずき」に乗った佐々木四郎高綱は、見事真一文字に対岸に渡りきり、先陣をきって名乗りを上げました。
景季の馬「するすみ」は残念ながら、水の勢いに押し流され、はるか川下に上陸したということです。
*姑息な手段を使った佐々木四郎高綱ですが、そんな手段を使わなくても、「いけずき」は勝てたのかも。

実は戦いの前、景季は、自分が欲した「いけずき」に乗っている高綱を見て、平常心を無くすのですが、高綱が機転を利かせて、盗んできたと言い、景季を笑わせています。
さぁ、皆さん、どう解釈されますか?

まっ、兎にも角にも、こうして、宇治川の戦いでは義経軍が勝ち、義仲は奮戦するも、近江国で討たれました。

「平家物語」によると、「いけずき」は黒栗毛(茶褐色)で肥え太った逞しい馬。馬でも人でも噛み付いて傍に寄せ付けない荒い気性をしていたので、「生食(いけずき)」と名付けられたそうです。ただ、母馬が早くに亡くなり、池に映った自分の姿を母馬と間違えて池に飛び込んだことから「池月」の名があるとも。微笑ましいエピソードです。
体高は四尺八寸=約145cm。現在の馬と比べると、小さいのですが、往時の馬の中では、大きい馬だったのかと。
そうそう、馬が「蹄鉄」を付けるようになったのは明治時代以降のこと。それ以前は「馬わらじ」なるものをつけていたそうです。パッカパッカと走る馬を想像しちゃいけませんね。

最後に曽我蕭白(ショウハク)、「宇治川合戦図屏風」江戸時代/18世紀 紙本着色6曲1隻をご紹介しておきます。
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するすみはその名の通り、真っ黒な馬です。矢羽根の紋は御霊神社にあるように、梶原氏の祖・鎌倉権五郎景政のもの。つまり左が梶原源太景季。馬の腹帯が見えています。右側で腹帯を指して叫んでいるのが佐々木四郎高綱になります。
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by b_neige | 2016-07-10 18:25 | 鎌倉歩き | Comments(0)

フランス語は趣味です。フランス人に日本語を教えていましたが’17.6月より中断中(教師歴14年)。 鎌倉歴はある方に言わせると初心者だそうで...。(汗)


by b_neige(しらゆき)