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鎌倉国宝館 鎌倉国宝館1937-1945(2018.11.07part3)

第3章 戦時中の展示
戦時中も鎌倉国宝館は開館していました。多くの入館者がいらしたそうで。また、作品?をお寺からお借りして展示していたとありました。

まずは、刀剣の類い。すべて鶴岡八幡宮から。中でも、太刀一口。銘 正恒 国宝
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徳川八代将軍吉宗公が八幡宮の修理造営に際し奉納した太刀になります。素晴らしい名刀なんですよね。これを吉宗公が何故手放したかについては、どこかで読んだ記憶が…。
古の長く重たい太刀は、とてもじゃないけれど扱いにくかった云々。
個人的には、刀、よく分かりません。ただ、保存が素晴らしいのでしょう、きれいでした。

さて、刀の次に並んでいたのが、まずは円應寺から奪衣婆坐像。室町時代
その横に、常楽寺(大船)の文殊菩薩坐像。鎌倉時代(13世紀)
おっ、と思いました。いつだったか、この仏様見たさに常楽寺の文殊祭に行ったっけ。
cf : 大船・常楽寺の文殊祭(2014.01.25)
せっかく出かけていったのに、お顔を全く拝見できなかったこと、覚えています。
その仏さま!なんと、なんと。
文殊祭の時だけ御開帳の仏さまをこんな間近に拝観できるなんて!あれから4年経ちました。
まずは、茶色っぽい色合いが独特でした。端正なお顔立ち。きちんとした佇まい。
新編鎌倉誌によれば、この文殊菩薩の頭部は、蘭渓道隆が宋から持参し、体部は日本で補ったとあります。でも、実際は、お体全体が日本で造立されているとか。
お腹が見えている=衣の着方が中国風ということです。

そして、その横にいらしたのが、東慶寺の水月観音菩薩半跏像。鎌倉時代(13世紀)
水に映るお月様を見て和まれてらっしゃる観音さま。きちんとしてらっしゃる文殊菩薩さまとは、ちょっと趣が異なります。
ついでに、そのお隣が明庵栄西坐像でした。頭の格好がユニークな。
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いつもは常設展示のところにいらっしゃるけど、この度はこちらに。水月様のお隣、いいお席ですね。

第4章 終戦へ
国宝館に残された書類の類い。

この特別展、よかったです、お薦めします。
一つ、見落としたのがあって…。第1章のところで、極楽寺の境内絵図!!本物、見ておきたかったのに。どうしよう、また行く??
by b_neige | 2018-11-09 07:01 | 展覧会など | Comments(2)

鎌倉国宝館 鎌倉国宝館1937-1945(2018.11.07part2)

第2章:太平洋戦争の開戦
鎌倉国宝館の収蔵品の一部は疎開される運びとなり、収蔵品がリストアップされたようです。こんな困難な時代ですが、国宝館は開館していて、円覚寺塔頭・伝宗庵の地蔵菩薩坐像、明月院の上杉重房坐像などが展示されていました。

地蔵菩薩坐像 鎌倉時代 円覚寺・伝宗庵(11世南山士雲の塔所)
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この仏像は初めてでした。画像でははっきりしないかもしれませんが、土紋があしらわれたお地蔵様で、土紋はしっかり襟元、左袖などに確認出来ます。
唐草文、花丸文だったかな。これで、聖観音立像(東慶寺)、韋駄天立像(浄智寺)、阿弥陀如来坐像(浄光明寺)、如意輪観音半跏像(西御門来迎寺)、阿弥陀如来坐像=鞘阿弥陀(覚園寺)と、合わせて6体の土紋装飾の仏様にお会い出来たことになります。
さて、残りは一体:宝戒寺の歓喜天像ですが、秘仏ですからね、無理かな。
でも、この日は、青梅聖天社の歓喜天像、平常展示のところでお見かけしたんです。だから、もしかして、いつか??

お次は、ご存知、上杉重房坐像 明月院
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6代将軍宗尊(むねたか)親王の鎌倉下向に随行し、そのまま武家として鎌倉に定住。上杉氏の祖。狩衣、指貫の礼装姿です。
品格を感じますね

天岸慧広(てんがんえこう、最初無学祖元に師事し、元応2年(1320)元に渡った)の東帰集一巻一冊
鎌倉時代(14世紀) 報国寺
天岸慧広=仏乗禅師の自筆 仏の教えや徳を讃える言葉を漢詩にしたもの

仏乗禅師度牒 弘安9年(1286)報国寺
奈良時代以降、得度して僧になったことを官府が証明し、本人に渡したもの。東大寺で。お免状です。十名の師の名前(寺名も)が入っていました。大きさにびっくり。

頬焼阿弥陀縁起絵巻 上巻 鎌倉時代(14世紀)光触寺
当麻曼荼羅縁起絵巻 下巻 鎌倉時代(13世紀)光明寺
この2つの絵巻が並べて展示されてました。大きさの比較が良くできます。当麻曼荼羅縁起の方は紙を縦にして継いで、上下を広く、大きくしているのが一目瞭然。

この章も見ごたえありました。伝宗庵の地蔵菩薩、鎌倉二大縁起絵巻の比較など、楽しめます。
人出は、たまに小学生の集団が見学に来館しますが、すぐに?帰っていくので、大丈夫、落ち着いてゆっくり観れます。
では、第3章に。続く
by b_neige | 2018-11-08 19:47 | 展覧会など | Comments(0)

鎌倉国宝館 鎌倉国宝館1937-1945(2018.11.07)

鎌倉国宝館の開館90周年記念特別展に行ってきました。
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(サブタイトルに「戦時下の博物館と守り抜かれた名宝」とあって、どんな仏像が出展されているんだろうと思い、HPの目録を見たんです。そしたら、びっくり、豪華なこと。)
で、出かけることにした次第です。

この特別展は4章仕立てで、まずは、第1章:日中戦争と元寇展
(1939年開催の元寇展で極楽寺の仏像が展示されたそうです)

最初からおっ、と驚き。極楽寺から釈迦如来坐像と釈迦十大弟子立像が出ていました。
極楽寺の宝物館の中に安置されている仏像ですよね。確か、あそこ花まつりの時しか開扉されないのではなかったかしら??
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お釈迦様が最初にお説法をされた時のお姿、説法印、というか転法輪印(仏法が広まり、法輪が回る)と呼ぶ、両手を胸の前に構えた釈迦像。
久しぶりに拝観しました。
十大弟子については、お釈迦様の子供である羅睺羅(らごら)尊者(だからこそ戒律を厳守した)とハンサムな阿難陀(あなんだ)尊者と般若心経で舎利子と呼ばれる舎利弗(しゃりほつ)尊者と大迦葉(だいかしょう)尊者、この4名しか、現段階での個人的レベルでは知りませぬ。。。(汗)

唐草蒔絵払子(伝覚山尼所持品)東慶寺
これは美品でした。中国渡来の白熊の毛を束ねて柄をつけたもの。
払子とは、僧が説法の際、威儀を正すために用いるんだそうです。
唐草文、柄尻に菊花形象牙が嵌められています。覚山尼所持ですよ。わぉ!
高僧の坐像って、必ず払子を持たれたお姿です。(例外は、筆を持たれている記主禅師かと)

北条時宗書状 円覚寺
無学祖元に宛てた文書。時宗は弘安6年(1283)に尾張国富田荘などを寺領として寄進していて、これにより円覚寺の経済基盤が保証され、将軍御願寺としての寺格も得ました。
時宗公の墨跡、なかなかの達筆。

ご存知、国宝、蘭渓道隆像(頂相) 建長寺
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自賛つき。朗然居士(北条時宗公??)のために描かれたとありました。そうなんですね。知らなかった。もう少し長く生きてらしたら、円覚寺の開山にもなられたんでしょうね...。
写実的です。頂相とは、精神面・性格をも表す絵(像)とか。皆さんは、どのような印象をお持ちになりますか?

異国降伏御祈祷記 明王院
これは多分初めて見ました。これが、副住職のお話の中で伺った古文書なんですね。
cf : 梅かまくら寺社特別参拝 明王院(2018.03.25)
cf : 飯盛山寛喜寺明王院五大堂へ(2017.10.17)
正応6年(1293)写本
祈祷までの経緯、7日間に及ぶ修法次第、出仕僧、布施等注文、堂内指図など。
興味がありました!

後宇多天皇の勅額 建治元年(1275) 江島神社
奉安殿に安置されているもの。籠(かご)写しと言って、文字の中は空白、輪郭のみ。内部に金泥塗り。

ちょっと印象に残ったのを挙げても沢山でしょう。今回の入場料は600円でしたけど、かなり満足。
2章に続きます。
by b_neige | 2018-11-07 18:46 | 展覧会など | Comments(0)

三井記念美術館「仏像の姿(かたち)」後半(2018.10.25)

展示室4
いろんな毘沙門天像、不動明王像、阿弥陀如来立像など。
*ここで、急に咳が出始め、観ていた方々のヒンシュクを買いました…。(>_<)
空調が24℃にされているのですが、変に空気の冷たい流れがあって、それが気管に入ったらしく咳き込んでしまった次第。風邪は大方治ったと思っていたのですが…。しばし苦しかったです。(>_<)

重文の阿弥陀如来三尊像(大坂・四天王寺、平安時代9世紀)
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中尊の阿弥陀さまもユニークですが、脇侍の両菩薩のポーズがケンケンスタイルで、こんなのは初めてみました。
駆け寄って行きますよ~という表われ??

神奈川・称名寺の不動明王&二童子像(金沢文庫保管)。
お不動様の光背の迦楼羅炎がはっきりしています。そして、こちらのお不動様、髪型がユニークなこと。前髪が前に垂れているんです。
金沢文庫には時折、行ってますけど、このお不動さまは初見。お不動様にもいろんなバージョンがあるのだと知りました。
(遊戯座のお不動さま、片手に掲げた剣をまっすぐではなく肩に担いでいるお姿のお不動さまも)

重文の「釈迦如来立像」鎌倉時代13世紀 滋賀・荘厳寺
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ご存知清涼寺式です。螺髪ではなく縄を巻いた様な御髪、両肩から流れるような衣紋が見られます。極楽寺や称名寺など真言律宗のお寺でもお目にかかれますね。

展示室5
一木造の観音菩薩立像(平安時代10~11世紀・大阪・本山寺)、観音菩薩立像(平安時代9世紀-個人蔵)、十一面観音立像(平安時代9世紀・大阪・長圓寺)。
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この3体の観音様、よかったです。腕が長い!個人的に古い時代の観音様、好きです。

十二神将立像(子神~巳神のみ)、五大明王像など拝見しました。
面白かったのは、奈良国立博物館の伽藍神立像(鎌倉時代13世紀)。
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かつては「走り大黒」と呼ばれていたそうですが、伽藍神の一人である監斎使者と判明したんですって。建長寺や覚園寺の伽藍神のイメージからは、かなりの隔たりが…。

展示室6.7
東京芸術大学保存学(彫刻)の秀逸な!模刻・修復作品の数々

感想ですが、肩が凝りません。各々の仏像の説明書きも分かりやすかったと思います。
初心者向き??楽しめました。
by b_neige | 2018-10-26 07:48 | 展覧会など | Comments(2)

三井記念美術館「仏像の姿(かたち)」(2018.10.25)

三井記念美術館で開催されている「仏像の姿(かたち)」~微笑む・飾る・踊る~を観に行ってきました。
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展覧会の主旨は、仏像の「顔」「装飾」「動きとポーズ」。
その表情だったり、彩色・截金細工などが施されている華麗なお姿だったり、立ったり、座ったり、遊戯座だったりする仏像の形などが紹介されています。

意外と人出がありました。びっくり。と言っても、列を作っているわけではなく、自分の時間で展示されている仏像を存分に眺められます。問題なし。それでは行きますよ。

展示室1
びっくりしたのは、一番最初に拝見した迦陵頻伽立像1軀(室町時代15世紀-個人蔵)ですが、鎌倉覚園寺の薬師三尊像の光背に付けられていたものとありました。
中央のお薬師さまの光背には、ないけれど、両脇の日光・月光菩薩の光背には迦陵頻伽が付いていたっけ。そこから剥落しちゃったものなんでしょうか。へぇ、と思った次第。

その次に、重要文化財の薬師如来立像(奈良時代8世紀・滋賀の聖衆来迎寺)と同じく重文・菩薩立像(飛鳥時代7世紀・東京芸術大学)を見ました。とてもよかったです。
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滋賀の聖衆来迎寺というお寺は全く知らないお寺。でも、穏やかなお顔立ちの上品なお薬師さま、衣紋もシンプルで厚みはないかもしれないけれど、美しい仏像でした。

その次の神奈川称名寺(県立金沢文庫保管)の観音・勢至菩薩立像(鎌倉時代13世紀)も言うこと無し。そんなに大きな仏像ではないですけれど、来迎の姿勢をとる金泥の両菩薩、おきれいでした。

展示室2
この企画展のポスターにもなっている不動明王立像(鎌倉時代13世紀-個人蔵)が印象的。
だって、お不動さまと言ったら、立像か坐像でしょう?それが、こんなお姿。異形ですよね。
残っている彩色、截金が美しかったです。ポーズが実に決まっています!!こんなビジュアルのお不動さま、拝見できて嬉しかったです。

展示室3 
截金紹介コーナーと、
如意輪観音像(掛け軸)だったり、香炉や、木造蓮弁(唐招提寺伝来)など。

続きます
by b_neige | 2018-10-25 22:15 | 展覧会など | Comments(0)

金沢文庫 特別展「運慶」(2018.01.17)

金沢文庫で今月13日(土)から開催中の特別展「運慶」に行ってきました。
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昨年秋に上野・東博であった運慶展とは、また少し異なる視点による運慶展でした。
今回のテーマは『鎌倉幕府と霊験伝説』。運慶と鎌倉幕府との関係、運慶仏が霊験あらたかなものとして信仰されたことに注目を置いた展示ということです。
最初にレクチャールームで学芸員さんのお話(見どころなど)を15分ほど?、伺いました。

それでは、とりあえず、目玉となる3点をご紹介しておきますね。
まずは、栃木県足利にある光得寺所蔵の大日如来坐像。
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眞如苑の大日如来坐像ととてもよく似たお姿の仏さまです。(共に鎌倉時代)
足利義兼が願主なんですが、こちらが(光得寺の)大日如来さまの胎内X線写真。
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お身体の中心に薄い影で五輪塔のような銘札が写っています。(運慶の特徴)
学芸員さんに教えていただいたのは、その上になんだか焼き鳥の串のようなものがついていて、それが足利義兼公の歯なんだそうで。びっくりしました。

次の仏さまは今回の展示会のポスターとしても使われている愛知県岡崎市にある滝山寺の梵天立像。
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四面四臂のお姿。それぞれ三眼。左手の一手に蓮華、右の一手に武器の独鈷杵を握っています。
滝山寺には運慶作と伝わる3体の仏像、聖観音像&梵天像&帝釈天像がお祀りされているのですが(頼朝公の3回忌に造立)、学芸員さんがおっしゃるには、X線画像で、この梵天さまの胎内に、源頼朝公の遺髪が納められているとわかったそうです。源頼朝公の遺髪とは恐れいりました。
この梵天さま、江戸末期から明治にかけて彩色し直されたということですが、白いお肌が美しいですよね。(個人的には彩色されてない方が好みです)
像高106.5cmとありました。堂々とした仏さまです。運慶・湛慶父子作。

最後は金沢文庫・称名寺の塔頭「光明院」の大威徳明王像。
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像高21.2cmの小さな、あまりにも有名な仏さまです。
腕などが破損していまして、恐らく長い間、そのままの状態になっていたのではないでしょうか。平成10年に再発見され、18年から19年に保存修理されたところ、像の中から納入品が発見され、その中にあった奥書から、源頼家・実朝の養育係であった「大弐局(だいにのつぼね)」という方が建保4年(1216)11月、運慶に造らせたものであるということが判明したそうです。
まさに驚きの発見でしたね。
私的には、この仏さまが運慶仏だとは、あまり感じないのですが、晩年の運慶の作風で、引き締まった体つき、端正なお顔立から明らかなんだそうです。生涯瑞々しい感性で制作にあたっていたことが読み取れるそうで、運慶の真作は数が少ないことから、すごい発見であったことがわかります。

会場で、その他、印象に残ったのは、横須賀の曹源寺の十二神将。
cf : 三浦一族ゆかりの衣笠を歩く-曹源寺(2017.05.12)
確か、あの時も立派と目を見張ったのを思い出しました!
12神将のうち「巳」神将が他の神将より大きめに造られているんです。
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源実朝公が巳年生まれだということから。運慶仏かもしれないという学芸員さんのお話でした。
ここで一つ疑問だったのは、それぞれの神将の頭の上に十二支の動物が付けられているのですが、どう見ても、そうじゃないでしょうという神将さまがいらして…。これは、製作当時、その十二支がよく知られておらず付けられてしまったことに由来するそうで…。(意外でした)

鶴岡八幡宮所蔵の舞楽面、瀬戸神社の舞楽面(抜頭面)も展示されていましたよ。源頼朝公が上洛した折、東大寺から賜ったものでしたよね。

横須賀・浄楽寺の運慶仏の銘札(月輪形の)と伊豆・韮山・願成就院の銘札(五輪塔形の)もありました。

それと、鎌倉・十二所、光触寺の頰焼阿弥陀三尊と縁起絵巻も!
なかなか拝見できる仏さまではないし、縁起絵巻も実物はお初だったかもしれません。嬉しかったです。

あとは、大町・教恩寺の阿弥陀三尊も、いつもははるか遠くからしか拝見できないのに、間近でよく観ることが出来て、またとない機会でした。

修禅寺の大日如来さまもいらしてました。
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像高103cm、ヒノキ寄木造り、玉眼、漆箔。
平素は本堂・須弥壇に安置されていて、一般には公開されてないそうです。年に一度、10日間のみ一般公開されるとか。どうりで、修禅寺には2度お参りしているけど、記憶になかったわけです。

頼家の妻辻殿発願とありました。あれ、頼家の妻って若狭の局じゃなかったって。(辻殿というのはお初)
運慶の流れ・慶派の仏師である実慶の作で、頼家公の7回忌の折造立されたものだそうです。
2人分の髪の毛が納められていたそうで、辻殿と母であった北条政子でしょうか??

会場はそれほど広くないので、疲れず観ることが出来ます。充実した内容でよかったです。
by b_neige | 2018-01-18 17:50 | 展覧会など | Comments(0)

国立東京博物館 平成館 特別展「運慶」

さてお待たせしました。運慶展のレポになります。
運慶作とされている31体の仏像のうち22体が結集した史上最大規模の特別展。それでは行きますよ。

まずはね、第1章:運慶を生んだ系譜-康慶(運慶の父)から運慶へ

運慶の父・康慶はそれまでの院派、円派と異なり、奈良・興福寺周辺を拠点として活動。奈良仏師と呼ばれました。鎌倉では源頼朝公が武家政権を立ち上げ、それまでの上品で洗練された貴族文化と一線を画する仏さまが望まれたのでしょう、東国の武士たちと結びついて奈良仏師たちによる新たな作風の仏像が造立されていきます。

法相六祖坐像など、康慶作の素晴らしく写実的な仏さま達(興福寺蔵)に見とれました。
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そして、この章では、運慶作のデビュー作となる、奈良・円成寺の大日如来さまにまずはご挨拶です。
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胸の前で智拳印を結ばれた美しい大日如来さま。今回の運慶展では、この仏さまがお目当てだったんです。早速お目にかかれたわけ。
本当におきれいとしか言い表せないお姿。お会い出来て本当に嬉しかったです。

あと、興福寺蔵の大きな仏頭も、この章で拝見しましたが、既に興福寺でお目にかかってるので。。。

第2章:運慶の彫刻-その独創性

韮山の願成就院から毘沙門天立像が来ていました。これも既にお目にかかってます。
cf : 韮山 北条時政公開基の願成就院で(2016.09.25)

逗子の浄楽寺から阿弥陀三尊と不動明王像、そして毘沙門天立像。これも既に拝観済み。
cf : 横須賀・芦名 浄楽寺へ-運慶作の仏さま拝観(2016.08.05)

京都六波羅密寺の地蔵菩薩坐像。(夢見地蔵とも)
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六波羅密寺も訪れたことありますけど、記憶になくて...。運慶の四男康勝の作という空也上人立像は覚えているんですけどね。ということはあの時は拝観してなかったのかな。。。
お衣の襞の流れが実に優美です。
*鎌倉国宝館に常設展示されている浄智寺の地蔵菩薩坐像(聖比丘地蔵)にお姿、よく似てらっしゃいます。

お初だったのが、和歌山・金剛峯寺(高野山)の八大童子立像。(画像の両脇の童子は今回、お寺でお留守番だったよう)
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両端の童子を除いて、上の画像、左から、恵光童子、矜羯羅童子、制多迦童子、鳥倶婆童子、清浄比丘童子、恵喜童子の六体なんですけど、それぞれの眼、玉眼の眼が素晴らしかったこと。
矜羯羅さん、恵光さん、好み?でした。
なかなか金剛峯寺までは出かけられないので、お会い出来て大変満足しました。

金沢文庫・称名寺からは大威徳明王がお出ましになられていて、お初でした。小さいものだということは知ってましたが、このお像の中から、運慶の銘文が見つかったとは。ちょっと運慶風には思えず、驚いた次第。

そして、この章の圧巻は何と言っても、興福寺の無着さまと世親さまだったように思います。こちらも既にお目にかかってますけど、個人的には無着さま、
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素晴らしすぎて。何も言うことありません。

第3章:運慶風の展開-運慶の息子と周辺の仏師

この章で印象に残っているのは、奈良・東大寺の重源上人坐像。
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大変リアルでした。

横須賀・満願寺からは、観音菩薩さまと地蔵菩薩さまがいらっしゃってて、再会。素敵なお姿でした。
cf : 三浦氏ゆかりの衣笠を歩く-満願寺(2017.05.12)

運慶の息子・湛慶作の毘沙門天立像、吉祥天立像、善膩師童子立像(高知・雪蹊寺蔵)。よかったです。
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五十歳代の円熟期の作品とか。素敵な仏さま達でした。

神鹿や子犬なども可愛らしくほほえましかったです。
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運慶の息子・康弁作の天燈鬼立像と龍燈鬼立像(興福寺蔵)。
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邪鬼が燈明を掲げる姿はとてもユーモラスでした。

最後の十二神将(京都・浄瑠璃寺伝来 鎌倉時代・13世紀)にも目を奪われました。
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こちらの十二体、普段は東京国立博物館と同じ都内ではありますが、静嘉堂文庫美術館に別れて展示されているので、一同に会するのは42年ぶりとか。ズラッとお並びになるとほんとに壮観。楽しめました。

どれ位、会場にいたかしら。残念だったのは、ちょっと混みすぎだったこと。もう少し、ゆっくりじっくり拝ませていただきたかったです。
そしてね、前にも記しましたけど、やっぱり出来るならお寺で拝観する方がいいように思います。
お堂のほの暗い場所でお目にかかるのと、昭明にばっちり照らされてお立ちになられているお姿とでは、受ける印象は違います。そりゃあ、きれいに隅々まで見えますよ、でもねぇ。。。
私はお寺派に軍配を上げさせていただこうかな。

〈追記〉
記し忘れてしまいましたが、X線調査で像内に「五輪塔」の形をした銘札があること、また、ちょうど仏さまの心臓の辺りに水晶玉が置かれていることなど、以前に運慶の勉強をした折知った、真如苑の大日如来さまがいらしていたのも、嬉しく思いました。X線の画像も紹介されていて、非常に判りやすかったです。
by b_neige | 2017-11-18 07:12 | 展覧会など | Comments(2)

上野・東京国立博物館「運慶展」へ(2017.11.10)

鎌倉橋を見てから上野・東博の「運慶展」へ。
博物館前のユリノキの黄葉です。
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だいぶ終盤かな。茶色くなりかけてましたけど、どうにか間に合ったという感じでしょうか。
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さて、平成館に急ぎます。
わぉ~、スゴイ行列!!
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ちょうど13時だったんですけどね、50分待ちというプラカードが出てました。
よどみなく進みましたけど、入館前からいささか疲れました。
おまけ:並んでいる時、暇に任せて撮ったスカイツリー。
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未だ上ってませ~ん。。。(^^ゞ

運慶展は、そうですね、お寺と違って、360度の方向から仏さま、拝観出来ますけど、印象としては、お寺でお見かけした方が?(笑)ずっとずっと厳かな感じがするかなぁ、なんて思いました。
浄楽寺の仏さま5体など、失礼ながらお堂で拝ませていただいた時より、はるかに美しく安置されているんですけど、やっぱり何かが違うんです。
無着さまも世親さまも。
もちろん、数々のお寺にわざわざ赴くことなく、素晴らしい仏さま達に一挙にお会い出来るのは、めちゃめちゃ嬉しいですけどね。
まっ、ごちゃごちゃ言いましたけど、円成寺の大日如来さま、金剛峯寺の八大童子立像、興福寺の無着さま、最高でした。
レポートは、ガイド本番が近づいて、なかなか時間がとれなくて…。(>_<)
後日必ずアップします。しばしのお待ちを。<(_ _)> × 100
by b_neige | 2017-11-11 21:14 | 展覧会など | Comments(0)

鎌倉国宝館 没後650年記念特別展 「鎌倉公方足利基氏-新たなる東国の王とゆかりの寺社ー」(2017.10.24)

鎌倉国宝館で開催されている足利基氏没後650年記念特別展「鎌倉公方足利基氏-新たなる東国の王とゆかりの寺社-」を観てきました。(10/21~12/3)
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鎌倉幕府滅亡後、鎌倉には鎌倉府が置かれました。その長は「鎌倉公方」と呼ばれて、室町幕府将軍と同じ足利氏によって世襲されたんです。
足利氏関連の資料(墨で書かれたもの)が多数、出品されていました。
書状等の筆跡から人となりが想像できて、楽しい時間を過せました。以下、印象深かったものを記します。(備忘録ですぅ)

まずは、「足利尊氏(1305-58)坐像」 江戸時代(17世紀) 瑞泉寺蔵(ネットから)
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尊氏は足利貞氏の次男。貞和5年(1349)基氏を鎌倉に派遣し支配させました。
長寿寺の像を写して造られたそうです。(像内の銘札から)

「足利尊氏願文(がんもん)」 南北朝時代 建武3年(1336) 常盤山文庫蔵
神仏に願を立てるときに作成したもので、自筆。清水寺に捧げたもの。
出家遁世の願いが記され、今生の果報に代えて後生の救済を願ったものだとか。兄弟の親密さがみてとれるそうです。

「上杉重房坐像」 鎌倉時代(13世紀)明月院蔵(ネットから)
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上杉重房は第6代親王将軍・宗尊親王に随行して、京都から鎌倉へ。孫の清子は尊氏・直義の生母にあたります。

「足利直義書状」(国宝)貞和5年(1349)米沢市上杉博物館蔵
冒頭の文字、「若御前」は基氏のことだろうとのこと。基氏は兄・義詮にかわって鎌倉下向しました。

「足利基氏御判御教書」(国宝)南北朝時代 鎌倉国宝館蔵
六浦庄は、足利氏の支配下でしたが、基氏が上杉能憲に以前のように六浦本郷の支配を認めたものになります。

「夢窓疎石坐像」 南北朝時代 14世紀 瑞泉寺蔵(ネットから)
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現存する夢窓疎石像の中で、特にすぐれているそうです。お顔が若々しく、左右非対称の衣
が特徴。

「足利直義円覚寺規式条書」南北朝時代 暦応3年(1340) 円覚寺蔵
円覚寺の規則。幕府を主導する存在であった直義の謹厳実直な人柄の一面が伺えるそうです。

「足利義詮御判御教書」南北朝時代 貞治6年(1367) 円覚寺黄梅院蔵
筆跡が華やかでした!

「尊氏自筆とされる地蔵菩薩像」掛け軸 南北朝時代 貞和5年(1349) 浄明寺蔵(パンフのスキャン)
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尊氏作同種のものがいくつかあるそうですが、唯一彩色されています。絹ではなく紙に書かれていて、花押が左下方に記されています。尊氏と自署。

「夢窓疎石書状」南北朝時代 建武5年(1338) 瑞泉寺蔵
サラサラとしたためられた美しい筆跡に感動しました。

「足利尊氏公家譜」江戸時代(18~19世紀)瑞泉寺
清和天皇にはじまり源義家・尊氏をへて、足利氏末裔の喜連川氏尊信に至ります。鎌倉公方、古河公方の花押が確認できます。

「矢拾い地蔵」=直義の守り本尊 鎌倉時代(13世紀) 浄光明寺蔵(パンフのスキャン)
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納衣、袈裟の彩色、切金文様は制作当初のもの。こちらの仏さまは浄光明寺で拝観の折にも、遠くから拝見するだけだったので、嬉しかったです。

「空華集 第一、二巻」 義堂周信(漢詩文集20巻10冊)江戸時代(18~19世紀)瑞泉寺蔵 
足利基氏は義堂周信を京都から招いて篤く帰依したそうです。

墨書が多かったので、まるで円覚寺や建長寺の宝物風入れのようでした。
個人的には足利直義の筆跡がよかったかな。尊氏の地蔵菩薩像(掛け軸)も面白かったし。
行ってよかったですよ。室町時代に入ってからの足利氏の鎌倉がありました。
入館料はいつもよりお高く600円。でも、その価値あると思います。◎
by b_neige | 2017-10-28 17:11 | 展覧会など | Comments(0)

金沢文庫 特別展「横浜の元祖 寶生寺」(2017.10.15)

金沢文庫の特別展「横浜の元祖 寶生寺」を見に行ってきました。29日(日)まで。

寶生寺とは横浜市南区堀ノ内町にある高野山真言宗のお寺。700年の古刹です。

聖教とは、仏教寺院で作られ続けた書物のことで、仏教の教えや宗派の記録が記されているものですが、寶生寺には、鎌倉時代から明治にかけて、約1900点の聖教が所蔵されているんですって。それが、今回、市有形文化財になったことを記念した企画展になります。

ご本尊や厨子入薬師三尊十二神将四天王像なども展示されています。それらは、通常は神奈川歴史博物館に寄託されているそうですが、只今休館中ということもあり、金沢文庫に寄託されている古文書の類と合わせて、(神奈川歴史博物館では20年ほど前に寶生寺展を開催しています)久しぶりにこの催事となったと伺いました。
(日曜2時の回のボランティアガイドさんのご説明を伺いながらの鑑賞です)

まずは、南北朝時代は、神奈河湊から本牧岬の付け根を通って磯子の方から海に出たわけですけど、寶生寺は、交通の要所にあって、談義所=学問所として栄えたことを教えていただきました。
本牧一帯は平子(たいらこ)郡と呼ばれていました。平子氏は三浦一族の一派、石川氏はその分家。寶生寺は平子郡石川村を本拠地として、石川氏の外護で発展しました。

階段を上がった第1展示室には、密教関係の仏画がずらり。
絹本著色、室町時代の両界曼荼羅とか同じく鎌倉時代の法華曼荼羅とか。尊勝曼荼羅、五大明王像、阿字観など、結構な数。

そして、仏画の下に古文書の類。圧巻なのは、伝法灌頂という、師匠から弟子へ法脈を相続する儀式があるそうですが、その式次第を詳しく書いた絵巻のようなもので、寶生寺を開いた覚尊というお坊さん(=中興の開山)が鶴岡八幡宮で伝法灌頂を受けた時の記録=通称「雪下記」と呼ばれる伝法灌頂記 室町時代 明応3年(1494) など、見応えありました。

その他、古文書は、歴代住持に関するものとか、寺領に関するものなどですが、太田道灌の書状と禁制状があったっけ。
それと、今回の目玉でもある「横濱(中心地は今の元町)」という地名が明記された最古の文書「市河季氏・比留間範数(=関東管領上杉氏に属した)連署寄進状」一通 室町時代 嘉吉2年(1442)4月26日。
これは、現在の元町プラザ辺りにあった横浜村薬師堂(寶生寺が管理していた)に対して田畑を寄進するというもの。
薬師堂から北に砂州が広がり、その端には弁天社があったそうです。天の橋立を小さくした風景だったとか。

第1展示室と第2展示室の間のガラスで仕切られたスペースには、寶生寺のご本尊が安置されていました。
大日如来坐像(鎌倉時代)。
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なんと、鎌倉の覚園寺塔頭にあったものなんですって。慶長6年(1601)に寶生寺のご本尊になられたそうです。
この大日如来坐像の像内納入品も横に並べられていて、舎利包みやら奉納目録やら修理願文やらありました。中に、願主北条貞時、作者運慶と記したものも。
運慶!考えさせられます。
それに、木造厨子入薬師三尊十二神将四天王像。(鎌倉時代)
これは、パンフレットのスキャンになります。
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小さいものですけど、大変美しかったです。

第2展示室は聖教関係のもの。
掛け物で文殊菩薩像、普賢菩薩十羅刹女像、大きな十王図、十三仏図、羅漢図等々。

寶生寺って、横浜を流れる大岡川沿岸の真言宗のお寺の大部分を支院としていたそうです。弘明寺もそうだったと。随分中心的な役割を果たしたお寺だったんですね。
寶生寺の場所は京急「蒔田」駅から10分ほどと聞きました。境内に自然林が残る古刹だそうです。
画像はウィキペディアから。
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一度訪れてみたいお寺です。(堂内公開なし)

by b_neige | 2017-10-16 07:02 | 展覧会など | Comments(0)